山古志羽黒山から見えるもの

中越地震で大きな被害を受けた旧山古志村。その村にある羽黒山は大きく崩れ、ふもとの羽黒トンネルも壊滅的な被害を受けた。また、ちょうどその真下に工場を構えていた有限会社山古志自動車では、敷地に並べていた車も、事務所もすべて大量の土砂に流された。

実はその山古志自動車が、現在クローバーバスの運行共同体として、デマンドバスの予約や運転手を担っている。

今日の山古志自動車の社長と打ち合わせ中、ふとしたことから地震の話になり、社長が地震直後から避難するまでの話になった。

「あのとき、ちょうど楢木集落で自動車の契約の話があってさ、この山の裏手に居たんだよ。」

と、事務所から羽黒山を見上げて、そう語った。地震直後、山古志自動車の事務所が壊滅した姿を見て、誰もが「社長は死んだ」と思ったそうだ。山の裏側にある楢木集落の皆さんと途方に暮れていた中、集落の代表と山古志自動車の社長が救助を呼ぶため夜中に羽黒山を越えて旧山古志村役場まで降りると決め、真っ暗な山道を歩いてきたそうだ。

「子供のころよく山に登っていたから、大体の道はわかってた。だから山越え出来たんだ。
でも山頂の大木が全部、山ごと崩れていたから、途中目印を失ったけどな。
夜中だったし、飯も食べてなかったけど、まぁ、事務所近くの自宅に戻れば
何か食べられるだろうと、その時は地震の被害を他人事に思ってたな。
山頂に着いて真っ暗な村を見下ろした時、あまりの被害の大きさにそこで初めて足が震えたよ。」

夜中に山を越えて役場に着いたときは、「おぉ!生きていたか!」と、みんなに驚かれたそうだ。社長にとってそんな思い出もある羽黒山に、社長に案内され登ってきた。

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山頂までは、四輪駆動車※でなんとか登られるようになっている。(※決して二輪駆動車では登らないように。) 石碑も綺麗に直され、ちょっとした展望台も出来ていた。そこからの眺めは絶景。虫亀地区や山古志小中学校も一望できる。一方、足元を見るとそこには再建した山古志自動車の事務所が見える。

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「村の皆に助けてもらったんだ。クローバーバスで恩返ししてるよ。」

村の人たちがみんな知っている山古志自動車の社長だからこそ、安心して運転手を頼める。どの集落へクローバーバスで迎えに行っても、おばあちゃんたちに安心してもらえる。そんな運転手さんたちでクローバーバスは運行されています。